10/12にドラフト会議が行われました。
ドラゴンズの２０２１年ドラフト指名を受けた感想です。
①１位・２位指名の選手でも活躍するかは分からない。
②４位指名の味谷選手に注目。
③現有戦力の底上げに期待。
●指名選手
・１位 ブライト健太外野手 右投右打 葛師野高－上武大
上武大学で今年の春の関甲新学生野球リーグと全日本大学野球選手権で活躍した選手です。全日本大学野球選手権では今回のドラフトで４球団から１位指名された隅田投手（西日本工大）からホームランを打ちました。
走攻守３拍子揃ってホームランも打てる選手との評価ですが、大学３年生まではリーグ戦でのヒットは０本ということで、実績がないものの急浮上した選手です。
今年の補強ポイントは強打の右打ちの外野手ということで、補強ポイントと合致し、守備力・走力も高いため、１位での指名となりました。
・２位 鵜飼 航丞 外野手 右投右打 中京大中京高－駒沢大
中京大中京高校でドラゴンズの伊藤康祐選手と同級生のチームメートだった選手で、名前も同じ「こうすけ」です。
パワーには定評があり、駒沢大学でもホームランをよく打っています。体重100キロですが、意外に走力があるということで２位での指名になったのだと思います。
ホームランを打つパワーはありますが、打率は良くなく、確実性が低いとの評価もあります。
・３位 石森 大誠 投手 左投左打 遊学館高－東北交易文科大－火の国サラマンダーズ
ＭＡＸ１５２キロの左腕で、ドラゴンズの小笠原投手と同級生の選手です。即戦力左腕投手としては、隅田・山下・黒原・佐藤・森・山田・鈴木・桐敷投手に次いで９番目の指名です。
この９人の中で何番目の評価だったのかは分かりませんが、狙いを付けていた投手の１人ではあるようです。独立リーグ所属の投手というこてでドラフト特集などにも取り上げられていた話題の選手です。
ドラゴンズでは独立リーグ出身の又吉選手をドラフト２位で指名しましたが、プロ野球全体でも育成選手としては又吉投手に次ぐ順位での指名となりました。今年のドラフト指名７７選手（育成指名を除く）の中で、唯一の独立リーグからの指名選手となりました。
本人は、もっと上の順位だと思っていたとコメントしており、強心臓の選手です。同級生の小笠原投手にもライバル意識を持っているようで、存在・実力で、投手陣の刺激となってくれることを期待したいと思います。
・４位 味谷 大誠 捕手 右投左打 花咲徳栄高
高校生の左打ちの捕手で、守備・打力・肩ともに評価が高い選手です。
ドラゴンズの米村チーフスカウトが、今年の夏の甲子園で評価した選手を聞かれて、最初に高木捕手（県岐阜商高）と東出捕手（小松大谷高）の名前を答えたインタビューがありました。
それで、高卒捕手ではこの２人のうちどちらかを指名すると思っていたのですが、実はこの味谷捕手を狙っていたための情報戦としての発言だったのだと思います。確かに味谷捕手は今夏甲子園に出場していませんので、間違ったことは言っていません。
そこまでして獲得したかったのだとすれば、相当期待できる選手なのではないでしょうか。今年のドラフト指名選手の中では一番注目していきたい思います。
・５位 星野 真男 内野手 右投右打 豊橋中央高
高校生の右打ちのショートです。それなりに評価されている選手ですが、全国区の選手なのか地元選手としての評価なのか微妙なところです。
ドラゴンズのドラフト５位指名は、ここ５年間、藤嶋投手、伊藤選手、垣越投手、岡林選手、加藤投手と地元出身の選手を投手野手交互に指名しています。それで、今年は無理やり野手の指名となったのではないことを祈ります。
ドラゴンズの二遊間といえばアライバコンビがいますが、最近は京田選手や阿部選手など大型の選手になってきています。しかし、昨年ドラフト指名の土田選手とこの星野選手が成長して二遊間コンビを組むようなことになれば、アライバコンビに近いタイプの二遊間になるのではないかと思います。
名付けて「土星コンビ」、または「サターンフォーメーション」というのはどうでしょうか。ここで提案しておきます。
・６位 福元 悠真 外野手 右投右打 智弁学園高－大商大
１位のブライト選手、２位の鵜飼選手と同じく、長打力が売りの右打ちの外野手です。補強ポイントに合致するのですが、異例の３人同じタイプの選手の指名となりました。
ドラゴンズはこれまで、野手では守備力・走力・ミート力を中心に評価してきました。京田選手が良い例だと思いますが、こうした指標が良い選手は活躍する確率が高いと思います。
一方で、長打力に優れているという選手は基本的にあまり指名してきませんでした。石垣選手や石川昂選手も走攻守３拍子揃った選手との評価での指名だと思います。
そういう意味では、これまで頑なに指名してこなかったタイプの選手をまとめて指名したということですが、５年単位で見れば５年間で３人ということで、バランスが取れているのかもしれません。
育成での指名はありませんでした。
●ドラフトの総括
ドラフトの総括としては、右打ちの強打の外野手を３人、６名中５人が野手という特徴のある指名となりました。
では、こうした指名について、評価できるかは置いておくとして、好きか嫌いかでいえばあまり好きではありません。
これまでドラゴンズは、投手を優先して指名し、野手では守備力・走力・ミート力を評価して、確実性の高い選手を指名してきました。
しかし、この４年間で指名した以下の選手のうち、１軍に定着している選手が高松選手しかいないということで、これまでのドラフト戦略に疑問を持ってしまったのでしょうか。
・鈴木・石川・高松・清水・伊藤・山本・マルク
・根尾・梅津・勝野・石橋・垣越・滝野・松田
・石川・橋本・岡野・郡司・岡林・竹内
・高橋・森・土田・福島・加藤・三好・近藤・上田・松木平
ドラフト戦略が間違っていたというよりは、育成の方法が間違っていたのではないかと思いますが、今年のドラフトはやけになってこれまでと違うことをしてみようとしているようなそんな危うさを感じました。
ドラフト指名を振り返ってみると、今年のドラフトは他球団の評価に関わらず欲しい選手から指名していく姿勢でしたので、１位ブライト選手というのは一番の補強ポイントとしてまあありなのかもしれません。
しかし、２位では１位候補の佐藤投手（筑波大）が残っていましたので、指名してほしかったです。佐藤投手は今年の秋脇腹を痛めていなければ競合１位もあった選手で、ドラゴンズの１位候補として予想していました。次の指名順で西武から指名されたので、せっかく残っていたのに指名できず残念でした。
その結果３位では、即戦力左腕で残っている石森投手の指名となりました。４位の味谷捕手は予定通りの指名だったと思います。
５位の指名ですが、ここは畔栁投手（中京大中京高）を指名してほしかったです。春の選抜甲子園で好投しましたし、地元出身の選手で外れ１位候補と予想していました。
５位は地元選手を指名しているので、畔栁投手を指名して欲しかったです。本当は３位で指名して欲しいくらいでした。中京大中京高ということで、昨年の高橋投手や今年の鵜飼選手などを指名していたこともあり、指名できなかったのでしょうか。
畔栁投手は５位でドラゴンズの次の指名順の日本ハムから指名されました。畔栁投手は、ドラゴンズベースボールアカデミー（DBA）出身の初のプロ野球選手となります。
６位の指名選手ですが、これも次の指名順で西武に指名された中山選手（白鴎大）の指名も考えられたのではないかと思います。石川翔投手と青藍泰斗高で同級生だった大型の内野手でホームランも期待できる選手です。
補強ポイントは右の強打者と言われていますが、今年のドラゴンズのホームラン６９本のうち、左打者が打ったのは１７本のみで、高橋選手の５本が最高です。左のホームランバッター候補も渡辺・石岡・山下・根尾選手などしかいません。
せっかく強打者を指名するのなら、少し違うタイプの左打ちの強打者を指名してみても良かったのではないかと思います。
●ドラフト感想
感想①１位・２位でも活躍するかは分からない。
ホームランバッターは確実性が低いうえ、今年１位・２位で指名した選手は経験がなかったり打率が低かったりと一長一短がある選手です。なので、成功する確率は低いと思うので、６位でも同じタイプの選手を指名したのだと思います。
ドラフト上位であれば戦力になってくれなければ困ると普通は思いますが、今年の指名選手については戦力になれば儲けものといった感じで見ていきたいと思います。
感想②４位指名の味谷選手に注目。
高校生捕手としてはドラフト１位の松川捕手（市和歌山高）に続いて２番目の指名となりました。田村選手（愛工大名電高）や前川選手（智弁学園高）も残っているなかでの指名です。
この選手こそが、ドラゴンズのスカウトが今年のドラフトで最も狙っていた選手ではないかと思います。今後の成長に期待したいと思います。
感想③現有戦力の底上げに期待。
今年のドラフトはパワータイプが多い宝くじドラフトと言えるでしょう。当たれば大きいですが、当たらない可能性も高いです。
例年通り確実性が高く長く活躍しそうな選手を指名してはとも思いましたが、先ほど書いたように来年５年目となる選手までであまり活躍している選手がいません。
しかし、昨年までのドラフトでは期待できる選手を指名していましたので、これから成長していくことが十分に考えられます。
野手では、石川選手と根尾選手が筆頭です。総合力は今年のドラフト指名選手よりも高いです。高松選手・岡林選手はミート力が高く足もあります。土田選手も守備だけでなくバッティングでも良いところを見せています。ホームランバッターでは石橋選手もいます。伊藤選手も走れる上に打力も上がっています。
投手では、梅津投手と勝野投手に先発ローテーションに定着して欲しいです。高橋投手にも期待ですし、橋本投手も開花すればすごい投手になると思います。伸び悩んでいる清水投手と山本投手、未完の大器の石川投手と垣越投手もいます。他にもマルク・松田・竹内・福島・加藤・近藤・上田・松木平と数はいます。森投手も忘れてはいけません。
これらの投手が出てくる可能性は十分にありますので、今年ドラフトで指名した選手だけでなくこうした選手にも期待して見ていきたいと思います。
ドラゴンズのドラフトでの野手５人指名というのは２０１４年ドラフト以来です。この年は、３位友永選手、４位石川駿選手、５位加藤捕手、６位井領選手、７位遠藤選手と５人を指名しました。育成では近藤選手も指名しています。
これらの選手はドラゴンズからいなくなってしまいましたが、この指名の結果起こったことは、高橋選手や堂上選手、福田選手などの伸び悩んでいた選手が、規定打席に達するようになり戦力の中心になってきたということです。
このようにドラフトで野手を指名したことによって、今いる野手が成長するということもありますので、そうした効果にも期待したいと思います。
今年のドラフト予想はこちらでした。ブライト・鵜飼・福元選手の名前は上げていましたが、さすがにこの展開は予想できませんでした。
今年のドラフトで指名した選手は、確かめていませんが実は全員足が速いとの噂もあります。広いバンテリンドームでは足の速い選手が求められます。ドラゴンズの課題として併殺打が多いというのがありますが、足の速い選手が多くなればこの課題は解消さます。
ドラフトは指名した時点で結果が出るのではなく、その後の選手の活躍によって成功にも失敗にもなります。ドラゴンズの監督を始め首脳陣も変わるようですので、新たな選手が出てくることを期待したいと思います。
来年ドラフトの注目選手は、大阪桐蔭高で根尾選手と同級生だった立教大学の山田健太二塁手です。
以上
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